大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和58(あ)479 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大谷恭子、同黒田純吉、同虎頭昭夫の上告趣意のうち、現行の死刑制度に

つき違憲をいう点は、死刑が憲法前文、一三条、三一条、三六条に違反しないこと

は当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・

刑集二巻三号一九一頁)とするところであるから、所論は理由がなく、その余は、

事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

また、記録を調査しても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない(記

録によれば、被告人にみのしろ金を奪取する目的があつたとする点を含め、原判決

の事実認定は正当として是認することができる。また、本件は、被告人が女性との

遊興などにより生じた多額の借金を返済し、更に右遊興を続けるための資金欲しさ

から、親せき同様のつきあいをしていた家の娘(当時一四歳の中学生)をその下校

途中に誘拐し、あらかじめ準備しておいた薬物で被害者を昏睡状態に陥れて殺害し、

その死体を山中に放置して遺棄した上で、その家族に電話をかけて多額のみのしろ

金を要求するとともに、この間殺害直前に準強姦未遂の所為にも及んでいたという

事案である。金銭欲に出た誘拐殺人、みのしろ金要求、死体遺棄に加えて、準強姦

未遂も伴うという本件の罪質及びその結果はともに極めて重大であり、動機に酌量

の余地はなく、犯行は計画的で、殺害の態様も冷酷非情であるといわざるを得ない。

更に、遺族の被害感情も深刻であり、社会に与えた影響も軽視し難い。以上の点に

照らすと、被告人が現在では反省していると思われることや、さしたる前科もない

ことなど、被告人のために斟酌すべき事情を十分考慮しても、被告人の罪責はまこ

とに重く、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せ

ざるを得ない。)。

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よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり判決する。

検察官田中豊 公判出席

昭和六三年四月二八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 大 内 恒 夫

裁判官 佐 藤 哲 郎

裁判官 四 ツ 谷 巖

裁判官高島益郎は、差支えにつき、署名押印することができない。

裁判長裁判官 角 田 禮 次 郎

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